初版 2004年10月27日
櫻井研究室のメールサーバでは,ユーザがメールを受信するためのプロトコルとしてPOPではなくAPOPが推奨されています.これは,通常のPOP(POP3)ではパスワードが暗号化されずにネットワーク上に送信され,盗聴などによってパスワードが漏洩する危険性があるためで,APOPではチャレンジ/レスポンスを行うことによってパスワードそのものがネットワーク上を流れないようになっています.
(取り込むメールの内容自体は暗号化されません(SSHのポートフォワーディングを用いることで実現できます))
特にitslabサーバでPOP3を使用する場合,パスワードはSSHやSAMBA(ファイルサーバ pm)と同じものを使用することになり,漏洩した際の被害が大きくなりますので,極力避けるべきです.
APOPに対応したメーラー(MUA, Mail User Agent)にはEdmax,Becky!,Thunderbird,mew(POPクライアントとして使用した場合)などがあります.
なお,パスワードの変更は,SSHでitslabにログオンした状態で
/usr/local/sbin/popauth |
さて,櫻井研究室のユーザの中にはOutlookシリーズ,もしくはOutlook Expressを使用したいという人もいるかも知れません.正直お勧めしませんが・・・
しかし,Windows上で動作するOutlookはAPOPに対応していません.
この場合,POPFile(0.22以降)やDelegateを利用することで,APOPに対応していないメーラーでもAPOP通信を行うことができます.
Popfileは本来迷惑メール(spam)フィルタですが,Ver. 0.22.0以降のバージョンではAPOPに対応しています.この際にメーラーがAPOPに対応している必要はないため,APOPのためにPopfileを導入することで迷惑メールフィルタとAPOP対応の一石二鳥にもなります.
参考:
PopfileはAPOPに対応していますか? (Popfile Documentation)
参考:
Popfileのインストール (Popfileドキュメンテーション)
基本的なやりかたはtokyo_xjp氏による解説が詳しいですが,ここではDelegateをitslabで利用する場合のやりかたを.
dg -vs ADMIN=<アカウント名>@itslab.inf.kyushu-u.ac.jp
-Plocalhost:110 SERVER=pop://itslab.inf.kyushu-u.ac.jp:110 DGROOT="<解凍したフォルダのパス>" |
Trying to start as a service [Delegate Server
-Plocalhost:110] ... Set Automatic Start on System Startup ? [y] / n : |
こうすることで,以後APOP未対応のメーラを利用してAPOPを使用することができます.
27, Oct. 2004
Manabu IWANAGA