配達保証付き電子メール

[研究の概要]
インターネットを介した契約に関わる問題のひとつとしてメール配送保証問題がある。これはメールの送信者が、相手がメールを 受け取ったかどうかを確認するものである。電子メールプログラムの中には、送信者がレシートの返送を求めるメッセージを 添付できるものがあるが、返送するかどうかは受信者次第であるため、相手を信用できない場合には利用できない。相手を信用できない 場合でも、送りたい相手以外にメッセージを読まれることがなく、自分がメールを送ったことを第三者にもレシートなどによって証明出来るようにしたい。 この問題で求められる最も重要な性質は、相手がメールを受け取ったのに送信者はレシートを受け取ることが出来ない、または 相手はメールを受け取っていないのに送信者はレシートを受け取るということが起こらないという性質である。このような性質は公平性と呼ばれ、 電子商取引においても極めて重要な性質の1つとなっている。メール配送保証問題を解決するためのシステムとして 配達保証付き電子メールと呼ばれるシステムが考えられている。このシステムは様々な方式が提案されており、既に商用サービスも 開始されている。特に日本では法律の規制緩和により、電子的手段を用いて法的文書を配布することが可能となったため、このようなシステムの 重要性が増してきており、商用サービスも増加してきている。本研究では、より実用的な配達保証付き電子メールを提案する。


代表的な発表論文
  • Kenji IMAMOTO, Kouichi SAKURAI
    "Private Certified E-mail Systems with Electronic Notice Board",
    Proc. of the 2003 International Workshop on CRYPTOLOGY AND NETWORK SECURITY (CANS2003), pp.726-729, Sep. 2003.
  • Kenji IMAMOTO, Kouichi SAKURAI
    "Certified E-mail Systems Using Public Notice Board",
    Trust and Privacy in Digital Business (TrustBus'03), 14th International Workshop on Database and Expert Systems Applications (DEXA2003), pp.460-464, Sep. 2003.
  • Kenji IMAMOTO, Kouichi SAKURAI
    "A Certified E-mail System With Receiver's Selective Usage of Delivery Authority",
    Third International Cryptology Conference in India (INDOCRYPT2002), LNCS2551, pp.326-338, Dec. 2002.
  • Kenji IMAMOTO, Kouichi SAKURAI
    "A Scalable On-line Certified E-mail Protocol Using Password Authentication",
    Proc. of the 3rd International Workshop on Information Security Applications (WISA2002), pp.319-331, Aug. 2002. (Best Paper ���)